PT直伝:デスクワーク後の首肩こりをその場で楽にする3つの動き

PT直伝:デスクワーク後の首肩こりをその場で楽にする3つの動き

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仕事が終わったとき、首と肩が石のように固まっていると感じることはありませんか?

デスクワーカーの多くが悩む首肩こり。湿布を貼ったり、揉んでもらったりしても、翌日にはまた同じ状態に戻ってしまう——そんな経験をしている方は少なくないはずです。

私は理学療法士として13年、身体の痛みや不調を抱えた方を見てきました。外来リハビリでも、デイケアの利用者さんからも「首肩がつらい」という訴えは非常に多いです。

この記事では、なぜデスクワークで首肩がこるのかの仕組みと、その場で実践できる3つの動きをお伝えします。


目次

デスクワークで首肩がこるのは「筋肉の静的収縮」が原因

首肩のこりがなぜ起きるのか、理学療法士の視点から説明します。

結論から言うと、同じ姿勢で長時間いることで、筋肉が「静的収縮(じっとした状態で力を入れ続ける)」を強いられるからです。

筋肉は動くことで血流が促進され、疲労物質が流れていきます。でも、デスクワークのように動かない状態が続くと、筋肉は収縮したまま血流が滞ります。疲労物質が溜まった状態が「こり」として感じられるのです。

特に首と肩は、頭の重さ(約4〜6kg)を支え続けるために、常に筋肉が働いています。前かがみ気味のPC作業では、その負荷がさらに増します。画面が目線より低かったり、顎を前に突き出した姿勢で画面を見たりすると、首への負担は普段の2〜3倍になるとも言われています。


こりをほぐすときに「強く揉む」のが逆効果な理由

「こったら揉む」のが当たり前になっている方も多いですが、理学療法士としては少し注意が必要です。

こりの原因は血流の滞りです。「強く揉む」ことで一時的にその部分への血流は増えますが、過度な刺激は筋肉を痛めることがあります。揉んだ翌日に「もみ返し」が起きるのはこのためです。

おすすめは、「ゆっくり動かして血流を促す」アプローチです。


その場でできる3つの動き

では、デスクワーク後にその場で実践できる動きを3つ紹介します。

動き①:首の側方ストレッチ(左右各30秒)

やり方:
1. 椅子に座ったまま、背筋を軽く伸ばす
2. 右手を頭の左側に軽く添える(引っ張らない)
3. 頭をゆっくり右に傾け、左の首筋が伸びるのを感じる
4. 30秒キープして、反対側も同様に

ポイント: 手で引っ張るのではなく、頭の重さだけで自然に伸ばすイメージ。痛みが出たら即中止。

私がデイケアの利用者さんに教えている動きで、「これを続けたら肩が楽になった」という声を最も多くもらいます。シンプルですが、即効性を感じやすいストレッチです。

動き②:肩甲骨をぐるりと動かす(10回)

やり方:
1. 両腕を体の横に自然に下ろした状態で座る
2. 肩を前→上→後ろ→下の順にゆっくり大きく回す
3. 10回行い、逆回しも10回

ポイント: 腕ではなく「肩甲骨ごと動かす」意識で。仕事中は肩甲骨がほとんど動いていないため、意識的に動かすことで周辺の血流が促進されます。

これはデスクの前に座ったままできます。会議の合間や、画面を見ながらでも実践できます。

動き③:胸を開く姿勢(1分間)

やり方:
1. 椅子の背もたれに背中全体を当て、お尻を奥まで座る
2. 両手を頭の後ろで組むか、肘を後ろに引く
3. 胸を天井に向けるように開いて、1分間保つ

ポイント: デスクワーク中は胸が丸まった姿勢(猫背気味)が続きます。この動きで胸の前面の筋肉(大胸筋)を伸ばし、背面の筋肉(菱形筋・僧帽筋)を働かせます。

私自身、デイケアで記録をまとめた後にこれをやるようにしていますが、やるとやらないとでは、翌朝の肩の状態が明らかに違います。


こりを悪化させやすいNG習慣

3つの動きと合わせて、日常の習慣も見直すと効果が高まります。

NGその1:画面の位置が低い

ノートPCをそのまま使っている方は要注意です。画面が目線より低いと、首が前に出て頭の重さが首に集中します。スタンドを使って画面を目線の高さに持ってくるだけで、首への負担は大幅に減ります。

NGその2:1時間以上同じ姿勢で座り続ける

「集中しているから」と長時間座り続けるほど、こりは蓄積します。1時間に1回、立ち上がって少し歩くか、上記の動きをするだけで、蓄積を防ぎやすくなります。アラームをセットする習慣をつけると続けやすいです。

NGその3:首を後ろに強くひねる、グリグリする

「ポキッ」と鳴らすのが癖になっている方もいますが、理学療法士としてはあまりおすすめしません。一時的にすっきりしても、靭帯や関節に負担がかかる可能性があります。


よくある質問

Q. こりがひどいときは病院に行くべきですか?

A. 以下の症状がある場合は、整形外科の受診をおすすめします。①腕や手にしびれがある、②首を動かすと激しく痛む、③頭痛や吐き気が伴う、④安静にしていても痛みが強い。こういった症状がない「疲れ由来のこり」であれば、まずセルフケアから始めてみてください。

Q. マッサージは効果がありますか?

A. 適度なマッサージは血流を促すという点で効果があります。ただし、強すぎるマッサージはもみ返しの原因になることも。「気持ちいいと感じる程度の強さ」を目安にしてください。

Q. 温めるのと冷やすのはどちらがいいですか?

A. 「急性期(炎症がある・腫れている・熱感がある)」は冷やす、「慢性的なこり(血流が滞っている)」は温める、というのが基本です。デスクワーク後のこりは多くの場合、温めた方が血流が促されて楽になります。入浴後にストレッチをすると特に効果的です。


まとめ

デスクワーク後の首肩こりに対して、今日からできる3つのことをまとめます。

  1. 首の側方ストレッチ(左右30秒):首筋の筋肉をゆっくり伸ばす
  2. 肩甲骨回し(前後10回ずつ):肩甲骨周辺の血流を促す
  3. 胸を開く姿勢(1分間):猫背で縮んだ胸前面をリリース

毎日続けることで、蓄積を防ぐことができます。

症状が強い場合(しびれ・激しい痛み・頭痛など)は、医師や理学療法士など専門家にご相談ください。


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この記事を書いた人

理学療法士(国家資格)・臨床13年。デイケア(通所リハビリ)で高齢者のリハビリ支援に携わる現役の医療職です。フルタイム勤務×子育ての中で「減らして整える」シンプルライフを実践し、その記録を発信。リハビリで学んだ「足すより整える」考え方を、暮らしと仕事に応用しています。

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