親がデイサービスに行きたがらない——現役デイケアPTが本音で答える7つの理由と対処法

親がデイサービスに行きたがらない——現役デイケアPTが本音で答える7つの理由と対処法

※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます

「親がデイサービスに行くって言わない」「嫌がって困っている」——そんな悩みを抱えているご家族は、とても多いと思います。

私はデイケア(通所リハビリ)で働く現役の理学療法士で、臨床13年になります。
毎日のように「最初は絶対に行かないと言っていた人」を迎え入れ、少しずつ通えるようになっていく姿を見ています。

ちょっと前置きを言わせてください。

インターネットで「親 デイサービス 行きたがらない」と検索すると、出てくる記事のほとんどが「ケアマネに相談しましょう」「施設を見学してみましょう」で終わります。
それ自体は間違いではないのですが、現場で実際に働いていると「それだけじゃ伝わらないよな」と感じることがたくさんあります。

この記事では、現場の中の人間だからこそ分かる「なぜ行きたがらないのか、本当のところ」と、「家族にどう関わってほしいか」を、正直にお伝えします。


目次

この記事でわかること

  • 親がデイサービスを嫌がる本当の理由(現場でよく見る7パターン)
  • 家族がやりがちな「逆効果な関わり方」
  • 実際に通えるようになった人に共通するきっかけ
  • 現場スタッフが「こうしてくれると助かる」と思う家族の関わり方
  • デイサービスを見学・体験するときに確認したい本当のポイント

親がデイサービスを嫌がるのは「わがまま」じゃない

まず、これだけ最初に言わせてください。

デイサービスを嫌がる人のほとんどは、わがままでも頑固なわけでもありません。
嫌がるには、それなりの理由があります。

現場で13年働いてきて気づいたのは、「拒否の言葉の裏に、必ず何か本当の気持ちが隠れている」ということです。

その気持ちに気づかないまま無理に連れてきても、本人も家族も、スタッフも消耗するだけです。
反対に、本当の理由に気づいてアプローチを変えると、すんなり通えるようになることも少なくありません。


現場でよく見る「行きたがらない」7つの本当の理由

1. プライドが許さない——「こんなところに通う人間じゃない」

現場で一番よく見るのが、このパターンです。

もともとバリバリ働いてきた人や、地域で顔が知られている人、「自分はまだまだ元気」と思っている人ほど、デイサービスに通うことへの抵抗が強い傾向があります。

「デイサービスは弱い老人が行くところ」というイメージが頭の中にあって、「自分が行くなんて情けない」という気持ちになるんです。

「絶対に行かない」とはっきり言っていた方が、体験に来てみたら同世代の人と活動しているうちに少しずつ場になじみ、今では毎回楽しみにしている——そういった変化は珍しくありません。

来てみれば「思っていたのと違う」と感じる方は少なくない——これは現場の実感です。


2. 「集団が苦手」「知らない人と話すのが怖い」

もともと人付き合いが得意でない人や、内向的な性格の人にとって、いきなり知らない人たちの輪の中に入るのは本当につらいことです。

デイサービスのイメージって「大人数でレクリエーション」という感じを持っている人が多いんですよね。
それが苦手で当然だと思います。

こういう方は「まず来るだけでいい」という入り方ができると、ずいぶん違います。
スタッフ側も、慣れるまで無理にグループ活動に参加させることはしません。


3. 身体の変化が恥ずかしい——「トイレが不安」「格好悪いところを見せたくない」

排泄の問題は、口に出しにくいけれどとても大きな理由のひとつです。

「外出中にトイレが間に合わないかもしれない」「尿漏れが心配」——そういう不安を抱えている人は、どこかに出かけること自体が怖くなっています。

また、麻痺があって歩き方が変わっている、手が上手く使えない、声が出にくい——そういった身体の変化を、知っている人に見られたくないという気持ちも強くあります。

現場で接していると、「こんな体になってしまった」という悲しさや悔しさが、拒否の言葉の裏に見えることがあります。


4. 「行かなきゃいけない理由が分からない」——目的の不明確さ

意外と多いのが、このパターンです。

家族や医師から「デイサービスに行きましょう」と言われても、「何のために行くのか」が自分の中でストンと落ちていない人は、なかなか動けません。

「リハビリのため」「認知症予防のため」と言われても、自分ごとになっていない。

逆に「転倒してから歩くのが怖くなったけど、またひとりで近所を歩けるようになりたい」という目標が本人の中にあるときは、「じゃあそのためにリハビリを受けにいこう」という動機になりやすいです。


5. 「家族に世話をかけたくない」——気を遣いすぎて言い出せない

実はこれも、かなり多い理由です。

「自分が通い始めたら、準備や送り迎えで家族に迷惑をかけてしまう」「お金もかかるし申し訳ない」——そういった遠慮から、「行かなくていい」と言い張る人がいます。

家族からすると「そんなこと気にしないで」と思うわけですが、本人からするとその「気を遣う」こと自体が、長年のスタイルだったりします。


6. 以前に行ったところが嫌だった

「一度体験してみたけど、合わなかった」という経験がある人は、デイサービス全体に対して「あんなところは嫌だ」というイメージを持ってしまいます。

デイサービスは施設によって雰囲気・スタッフの関わり方・プログラム内容がかなり違います。
一か所が合わなかったからといって、ほかも同じとは限りません。


7. 人間関係のトラブル——「あの人がいるから行きたくない」

デイサービスの通所者同士のトラブルや、スタッフとの相性が合わなかった場合も、拒否の原因になります。

これは正直、現場側から言い出しにくいことではありますが、あります。
「あの人がいる日は行きたくない」というのは、実際に現場で聞く言葉です。


家族がやりがちな「逆効果な関わり方」

良かれと思ってやっていることが、かえって逆効果になっていることがあります。
現場の目線から、よく見るパターンをまとめました。

「説得モード」で押し続ける

「絶対に行ったほうがいいから」「体のために必要だから」と繰り返すほど、本人は「否定された」と感じて頑なになりやすいです。
理屈では分かっていても、気持ちがついてきていない段階で押されると、こじれます。

「嘘をついてつれていく」

「ちょっと買い物だから」と車に乗せて、気づいたらデイサービスにいた——これは一度やるとあとが大変です。
信頼を損なうと、次から何を言っても「また騙されるかも」という警戒心が出てくることがあります。
短期的にはうまくいったとしても、長く通い続けるためにはマイナスになることが多いです。

決定権を全部取り上げる

「もう決めたから」と通知するだけでは、本人は「自分の人生を勝手に決められた」と感じます。
「行くか行かないか」「どこにするか」「週何回にするか」——できる範囲で本人に選択肢を持たせると、受け入れやすくなります。


実際に通えるようになった人に共通するきっかけ

現場で見ていると、「最初は嫌がっていたのに、通えるようになった人」にはいくつかの共通点があります。

まず一度来てもらう——体験の力

「来てみたら思っていたのと違った」というのは、本当によくあります。
体験で来てみて、同世代の人とちょっと話をして、「まあここなら」と思うことがある。
最初のハードルを下げることが、一番大事です。

本人の「やりたいこと」に結びつける

「また孫と旅行に行けるくらい歩けるようになりたい」「家で料理をしたい」——そういう本人の希望にリハビリを結びつけると、通う理由が腑に落ちやすくなります。

スタッフに「この人はこういうことを大事にしている」と伝えてくれると、アプローチがしやすいです。

家族が「押す」のをやめたとき

これは現場でよく見るパターンで、家族が焦って説得するのをやめたころに、本人が「じゃあ一回だけ行ってみようか」と言い出すことがあります。
本人の中で考える時間が必要だったんだと思います。


現場スタッフから見た「こうしてくれると助かる」家族の関わり方

現場で働く側から、正直にお伝えします。

本人の生活歴や大事にしていることを教えてほしい

どんな仕事をしていたか、趣味は何か、何が好きで何が嫌いか——こういった情報があると、スタッフが声かけや活動のアプローチを工夫しやすくなります。
「この人はこういう人」という背景を知っているかどうかで、関わり方がぜんぜん変わります。

「嫌だと言っていた」をそのまま教えてほしい

「実は本人は乗り気じゃなかった」という情報も、ちゃんと教えてほしいです。
最初から不安や抵抗があると分かっていれば、最初の対応を丁寧にできます。
知らずに関わって、本人が不快そうにしていて初めて気づく、というのはスタッフとしても残念です。

「様子を見てほしいこと」を具体的に伝えてほしい

「今日は調子が悪そうだったが、なんとか来た」「最近夜眠れていない」「転倒が心配」——こういった情報を連絡帳やスタッフへの声かけで伝えてもらえると、個別に配慮できます。


デイサービスを見学・体験するときに見てほしいポイント(中の人目線)

「良いデイサービスかどうか、どうやって見分ければいいか」というのも、よく聞かれます。

パンフレットや施設の綺麗さよりも、こちらを見てほしいです。

スタッフが利用者の名前を呼んでいるか

「○○さん」と名前で呼ばれているかどうか。
「おじいちゃん」「あなた」「ほら」などの声かけをしているところは、個別性への意識が低い傾向があります。

利用者の表情はどうか

施設内で過ごしている人たちの顔を見てください。
楽しそうにしている人がいるか、どこか無表情でぼんやりしていることが多くないか。

断りやすい雰囲気か

体験の際に「やりたくないこと」を断れそうな雰囲気かどうかも大事です。
「みんなやっているから」と強制されるような場は、本人が萎縮しやすいです。

ケアマネや担当者が話を聞く姿勢があるか

「この人はこういうことが苦手です」「こういうことを大事にしています」と伝えたとき、ちゃんと受け取って動いてくれるかどうか。
最初の相談でのやりとりが、その後の信頼感につながります。


よくある質問(FAQ)

Q. 一度行き始めれば、だんだん慣れていきますか?

現場での印象では、最初の数回が一番大変で、慣れてくるにつれて安定してくる方が多いように感じています。
ただ、身体の状態やその日の気分によって波はあります。「最初はきつかったけど今は楽しみにしている」という方も多くいます(個人差があります)。

Q. 無理矢理連れていくのはよくないですか?

1回や2回なら、体験として乗り越えられることもあります。
でも継続的に「強制されている」と感じている状態では、本人の心身に負荷がかかることがあります。
まず「来てみる」だけのハードルを下げることと、来てからの体験をなるべく本人が選択できるようにすることが、長続きのポイントになります。

Q. 認知症があって、理由が話せない場合はどうすればいいですか?

言葉で理由を説明できなくても、表情や行動で「嫌だ」を表現していることがあります。
拒否の様子(毎回なのか、特定の日だけなのか、送り出し時だけなのか)を記録して、担当のケアマネや施設スタッフに伝えるのが、現実的な第一歩です。

Q. どこに相談すればいいですか?

まずは担当ケアマネジャー(ケアマネ)か、お住まいの地域にある地域包括支援センターに相談してください。
費用のこと、施設の情報、介護保険の使い方まで無料で相談に乗ってもらえます。


まとめ——「行きたがらない」は、変わる

親がデイサービスを嫌がるのは、プライド・不安・人間関係・目的が見えないこと——さまざまな理由が絡んでいます。

現場で13年、たくさんの方と関わってきて感じるのは、「最初は絶対に行かないと言っていた人でも、きっかけひとつで変わることがある」ということです。

焦らず、本人の言葉の裏にある気持ちに目を向けながら、ひとつひとつ対話してみてください。

うまくいかないときは、担当ケアマネや地域包括支援センターに相談を。
「こんなことで相談していいの?」ということでも、一緒に考えてもらえます。


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著者プロフィール

オミ|理学療法士・臨床13年

デイケア(通所リハビリ)で現役で働くPT(理学療法士)。
身体機能の回復支援や転倒予防に取り組みながら、30〜40代の子育て世代に向けて「シンプルで続けられる健康情報」をブログで発信しています。
記事の内容はすべて個人の経験・観察に基づくものです。具体的な判断は担当の医療・介護専門職にご相談ください。


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この記事を書いた人

理学療法士(国家資格)・臨床13年。デイケア(通所リハビリ)で高齢者のリハビリ支援に携わる現役の医療職です。フルタイム勤務×子育ての中で「減らして整える」シンプルライフを実践し、その記録を発信。リハビリで学んだ「足すより整える」考え方を、暮らしと仕事に応用しています。

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